椎出を流れる不動谷川の河原に、一本の軌条が横たわっています。

寸法から12封(6kg)軌条と思われます。

この付近は、左岸には高野山森林鉄道が走り、右岸には椎出土場のあった所です。椎出土場は、やがて廃止され製材所などが営まれたようです。木材運搬用に引込線も作られていたとのこと。

この軌条のサイズは、近くを走る南海高野線の鉄道用ではなく、先の高野山森林鉄道に使用されていた木材運搬用のトロッコ軌道用軌条にあたります。明治38年に開設された時に敷設されたものも12封(6kg)軌条でした。

どの時代に使用された軌条かは不明ですが、明治38年(1905年)から数えると115年、廃止された昭和34年(1959年)からでも61年たっています。

高野官林の官行斫伐で賑わった頃を思い起こさせる遺産です。